演劇街道きのくにプロジェクト

演劇街道きのくにプロジェクト 「いつわりの漆器 - 私は朱を塗りこめたい」WEBパンフレット

代表挨拶 / 演劇街道きのくにプロジェクトとは

和歌山を愛し、和歌山を発信する団体「演劇街道きのくにプロジェクト」。そのはじまりは、2016 年、おじいちゃん(金沢天耕)を主役にしたマジシャンの物語『酔筆奇術偏狂記』(劇団レトルト内閣)を大阪HEP ホールで上演したことでした。明治~昭和初期の和歌山市を描いた本作品に対し多くの人が「これは和歌山でやるべきだよ」と助言してくれました。和歌山というキーワードが頭にちらつくなかで出会ったのは、貴志川出身の俳優・ぐっちー(坂口勝紀)と、田辺出身の俳優・かれんちゃん(栗須香練)でした。「いつか故郷で」とのお喋りの中で、坂口君は古田(古田充司)さんと松本(松本元信)さんを紹介してくれました。
2018 年の夏、人生はじめて紀美野町へ行き、奈央さん(澄田奈央子)に会い、りら創造芸術高等学校に行きました。まさに和歌浦のビーチにあるBAR で古田さんと松本さんが「大阪から作品をもってくるのではなく、地元と一緒に作ろう」と声をかけてくれたことで、町づくりをするための団体として位置付けた「演劇街道」の方向性は決まりました。演劇という道で和歌山と他の地域を繋ぐシアターロード(演劇街道)のアイデアを出してくれたのは演出家の佐藤香聲さんです。
古田さん、松本さんとは三本柱でやってきました。その後、山東幾久子さん、東山直美さん、伊東兄弟、田村まさみさん、くうさん……書ききれないほどの方が仲間になってくれました。1回目にオーディションで来てくれた前芝和子さんは演劇にも詳しく、副代表となり精神面も支えてくれました。そして別れもありました。旗揚げに参加してくれた黒木エリーちゃんが他界し、その悲しみから2020 年『千年前から、君を探していた』の作品は生まれました。
海南で劇団紀州の世話人をしている市川昇次郎さんは私が師と仰ぐ人物になりました。演劇街道きのくにプロジェクトは地域をまたいだ公演として時間や資金やコロナの困難に直面しなが らやっています。今回もオーディションで「和歌山で演劇をしたい」という方が何名も参加してくれました。憧れの演出家・外輪能隆を迎え、馴染みのできた海沿いの街を題材に物語を書くことができました。すべて地元のみなさんが支えてくれるからできることです。本当にありがとうございます。

感謝を込めて

金澤寿美

これまでの公演と協力団体からのメッセージ

2019年9月29日 / 酔筆 奇術偏狂記 / 和歌山市民会館 小ホール

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【友情出演してくださった、マジシャンズクラブの会長からメッセージ】
金澤寿美の祖父・金沢天耕が立ち上げた和歌山マジシャンズクラブ。和歌山のマジックは、東京に次いで、全国で2 番目に広がりました。マジックを広げ、根づかせてくれたのは、金澤天耕先生です。先生の半生を描いた「酔筆奇術偏狂記」という劇を先生のお孫さんの金澤寿美さんがシナリオを書きました。2 年程前、和歌山市民会館で上演した時、私たち和歌山マジシャンズクラブのメンバー10 人程が友情出演させていただきました。
和歌山マジシャンズクラブは、天耕先生の遺志を継ぐ形で作られ、今後更に発展させていきたいと決意しています。

和歌山マジシャンズクラブ会長 森 教 二

2020年10月3日 / 紀三井寺開創1250年記念演劇公演『千年前から、君を探していた』 / 海南nobinos・ホール

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【物語の構想になった龍宮乙姫伝説のある紀三井寺からメッセージ】
和歌山市内の景勝地にある紀三井寺は、今から1252年前に創建された古い寺院です。このお寺で最も大事な行事は、8月9日の「千日詣」です。紀三井寺を創建した唐僧・為光上人の徳を讃えて、龍宮乙姫が、龍宮という異界の灯明「龍灯」を献上しに来る日であり、一日詣れば千日参詣の功徳があるとされる特別の日です。
令和2年10月、落成されたばかりの海南ノビノスホールで、この紀三井寺千日詣を題材として、チケット完売のもと上演されたのが、演劇街道きのくにプロジェクト公演『千年前から、君を探していた』でした。龍宮という異界との通い路が通じる日に展開される、あの世とこの世の交錯。どこか懐かしく、そして切ない現代劇です。もう一つのパラレルワールド「あの世」と隣り合わせで生きることで、薄っぺらな「この世」はいささか厚みを増す。三名刺繍さんの編み出す世界は、この世に呻吟する我々へのエールの様にも思えます。

紀三井寺 貫主 前田泰道

2021年8月9日 / ワークショップ公演(井澤弥惣兵衛物語)「お代官さま、裁きはいかに」 / 劇場すわん江戸村

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【一緒に作品をつくらせていただいた仲良しの江戸村さんからメッセージ】
いつもさまざまな面でサポートしていただきありがとうございます。演劇街道きのくにプロジェクトさんとは2019 年からの付き合いで、日は短い方ですが、これまでにも和歌山にちなんだ物語をいくつも上演してきました。
これからも地元・和歌山で演劇に携わる仲間として共に切磋琢磨しながら、演劇で和歌山をもっと盛り上げていきましょう。

劇団紀州 世話人・市川昇次郎

2021年12月4~5日 / 負け。-生きる- / 劇場すわん江戸村

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【小野田寛郎ゆかりの宇賀部神社からメッセージ】
「演劇街道きのくにプロジェクト」とつながりを得たのは、小野田寛郎にちなんだ新作劇の公演がきっかけです。「つらいことがあっても生きることの大切さを舞台で表現していきたい」と小野田寛郎役を演じきった若い役者さんのお姿が今も脳裏に残っています。
和歌山の魅力を、舞台を通じて、新たな切り口で発信してくれていることを大変頼もしく思っています。これからの人生、目標を持って、日々希望に満ち、可能性に胸をふくらませて送りたいものです。

宇賀部神社 宮司 小野田典生

2022年8月27日(土)~28日(日) / いつわりの漆器 - 私は朱を塗りこめたい / 和歌の浦アート・キューブ

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今作のテーマ:紀州漆器とは

紀州漆器は室町時代、和歌山県海南市黒江で近江の木地師により作られた渋地椀が始まりとされ、日本三大漆器産地の一つとされています。同時期、根来寺(現岩出市)で僧侶が寺用の膳・椀・厨子などの什器を自ら作ったのも起源の一つです。根来塗は、黒漆で下塗りをし、朱漆で上塗りした漆器の技法です。使い込まれることで朱漆が不揃いにすり減り黒漆が浮き出て趣がある漆器に変化していきます。元々檜材を利用した挽物・曲物・板物のシンプルな無地ものが中心でしたが、江戸後期からは蒔絵、明治からは沈金による加飾がされるようになり全盛期を迎えました。戦後は、お盆を中心に樹脂製品や吹付け塗装、シルクスクリーン印刷などを取り入れ、大衆漆器産地として全国に紀州漆器の名を知られるようになりました。近年、若手職人が高い塗装技術を活かし、様々な分野の産業とコラボし、海外進出も果たしています。これからも革新的な漆器産地として進化し続けます。

池庄漆器店 池原 弘貴

漆器関係のスペシャルサンクス

本作品を創作するために以下の皆様にお世話になりました。

池庄漆器店 池原 弘貴
紀州漆器伝統産業会館 うるわし館
株式会社島安汎工芸製作所
古民家カフェ 黒江ぬりもの館

キャスト一覧

謎の男 碧 役

〈A〉山本太陽(和歌山公演のみ)

和歌山在住。和歌山友ヶ島に9 万人観光客を増やしたとして、和歌山市観光発進人に委嘱。日本男装協会会長。チャームポイントは少年ボディ‼
※下欄にインタビュー掲載

〈A・B〉堀真也

大阪在住。劇団暇だけどステキ所属。普段は笑いと人情芝居やってますが、今回ラブ・サスペンスどうなるのか!?チャームポイントは笑顔です!

漆器アーティストを目指す主人公 潮崎りりこ 役

〈A〉栗須香練

和歌山県田辺市出身。エイベックス・マネジメント所属。俳優、モデルを中心に活躍。スヌーピーが好き。
※下欄にインタビュー掲載

〈B〉大下真緖里

大阪出身。ジャパントータルエンターテインメント(株)所属。高身長故か、変わったキャラクターを演じる事が多いので普通の女性を演じるのはとても久しぶり。

主人公の妹 弁当屋を営む 潮崎捺稀 役

〈A〉川端明

※Aチーム川端明は体調不良によりAB チーム共に宇佐美みおが演じます

〈B〉宇佐美みお

和歌山出身大阪在住。役者とシンガーソングライターもしています!初の地元和歌山での舞台に立てること、幸せに思います!

主人公の同僚 浜津帆波 役

〈A〉大山りんな

和歌山県在住。きのくにプロジェクトは3 回目の出演。初舞台に共演した方々とまた共演できて嬉しい。

〈B〉落合沙也香

劇団1mg 所属。生まれも育ちも和歌山県。持ち前の運動神経を生かし多ジャンルの舞台・イベントに出演。

主人公の師匠 兒島万祐 役

〈A〉光希(みき)

イズム所属。東京で20 年余りミュージカルやストレートの舞台を踏み、今年3 月地元関西に拠点を移す。このプロジェクトは初参加!

〈B〉向田倫子

神戸生まれ大阪在住。劇団ババロワーズ所属。旅公演気分で和歌山グルメが楽しみ!
※Bチーム向田倫子は新型コロナ後遺症のため、ABチーム共に光希が演じます

兒島万祐の娘 兒島愛里咲 役

〈A〉覚道沙恵子

兵庫県出身の和歌山放送パーソナリティ。MC 企画所属。艶のある声を生かしナレーターや歌のおねえさんとしても活動。

〈B〉新まおり

ことば、音楽、舞踊など、手段にとらわれず幅広く表現を楽しむ人。肩書はまだない。今作が一年半ぶりの役者活動となる。紀州漆器でおしるこ食べたいなぁ!

謎の男を探す謎の女 佐野夕里 役

〈A〉佐藤みか

劇団レトルト内閣所属。普段はご飯とお酒と猫のことばっかり考えている大阪のOL。妹が本物の漆塗り職人なので今作は思い入れがあります!
※Aチーム佐藤みかは新型コロナ感染によりAB チーム共につねなりあやかが演じます

〈B〉つねなりあやか

たくましく芯のある台詞まわしに、ほんのりした色っぽさが混ざる女優。演技では、普段とは異なる鋭い表情が浮かび上がる。大阪で文鳥と暮らしている。

謎の男を探す謎の男 佐野尊 役

〈A〉中島清司

和歌山市在住。和歌山演劇大学出身。笑いの取れる演技を目指します。みなさん一緒に楽しみましょう!

〈B〉北村知己

ご縁いただき、今回役者デビューします。バンドマンなので普段は音楽の世界にいます、演劇の世界は表現するという共通あれ、また違った世界で刺激的です。楽しい舞台にしたいとおもいます。

正田漆器店 社長 正田真柝 役

〈A〉前芝和子

和歌山在住。Uターンで地元和歌山に。演劇街道きのくにプロジェクト所属。車でひとりカラオケが趣味。チャームポイントは、ゴツい肩とよく通る声です!

〈B〉福田恵

母校は智弁和歌山。春夏は高校野球にいやおうなく和歌山愛を駆り立てられつつ大阪在住。劇団レトルト内閣所属。R-1 グランプリ2022 準々決勝進出。

正田漆器店 社員 木船一太 役

〈A〉内藤章

インストゥルメンタルファンクバンド K-106 所属。俳優業とトロンボーンを吹いてライブ活動しています。

〈B〉松永和真

STAR☆JACKS 所属で、自分でダサい名前で企画もしたり、最近は配信もしてたりなんだったり。お酒大好き、アスレ大好き!でもゲーム好き過ぎて超インドア!

正田漆器店 主任 時山 役

〈A〉古梅志穂

和歌山在住。高校演劇出身。まさかのおっさん役ですが、ポテンシャルを活かして頑張ります!チャームポイントは、口元のほくろです!

〈B〉松本元信

和歌山在住。演劇街道きのくにプロジェクト所属立ち上げメンバー。いつまでも初心者が売り?です。

正田漆器店 社員 縞田 役

〈A〉岩橋レナ

劇団ワンエムジー に所属しており、普段は舞台を中心にイベント関係のキャストをしております。大きな元気玉作れます!

〈B〉あぶかずえ

きのくにプロジェクトには2 回目の出演。前回も今回も愉快な役を担当させていただいております。演技かな?リアルかな?どうぞご覧くださいませ。

正田漆器店 社員 織野 役

〈A・B〉のの華

福岡県出身。時代劇からアングラまで幅広く活動。和歌山のみかんと桃が大好き。

30年後の潮崎りりこ 役

〈A〉森本智美

和歌山演劇大学所属。才能あるメンバーと共に、素晴らしい舞台ができる事、幸せに思います。

〈B〉布施敬子

ほぼ初舞台でドキドキですが、楽しんでいただけるように頑張ります。

語り / 千尋 役

〈A〉辻安珠

神戸在住の16 歳。演劇には初挑戦。実はパデルのジュニア日本代表である。表情の豊かな所に注目。

〈B〉こんのさき

和歌山在住3 年目。関西圏でフリーの役者兼シンガーソングライターとして活動中。和歌山ラーメンが大好き。

スペシャルインタビュー 潮崎りりこ 役〈A〉栗須香練

今回の物語は私の故郷である和歌山の伝統工芸『紀州漆器』がテーマで私は主人公のりりこを演じます。これまで演劇街道きのくにプロジェクトで何作か出演してきましたが〝モノ〟を対象にした作品は初めてで、より和歌山の芸術の発展に寄り添う作品になってるのではないかと思います。立上げ当初は、「和歌山で演劇をやって誰が観に来てくれるのだろう」という不安がありましたが、このプロジェクトを通していつも無償の愛でサポートして下さるスタッフの皆様や、初めて演劇を観に来て下さった方など沢山の素敵な出会いがありました。この物語でりりこは漆器職人になるために日々奮闘しているところに正体不明の謎の男に出会い、恋に落ちるところから物語が始まります。人は常に選択をしながら生きていかなければいけません。私はりりこが選んだ人生がとてもかっこいいと思っています。皆様に楽しんで頂けるように精一杯演じたいです。

スペシャルインタビュー 謎の男 碧 役〈A〉山本太陽

和歌山在住。和歌山友ヶ島に9 万人観光客を増やしたとして、和歌山市観光発進人に委嘱。日本男装協会会長。チャームポイントは少年ボディ‼

ご来場いただき誠にありがとうございます。東京、名古屋、大阪、ロシアと舞台に出演してきましたが、ようやく和歌山の演劇舞台に立つことができました。1 年半前に和歌山に戻ってきてからも和歌山から大阪、東京へ舞台稽古に通う日々でした。『和歌山で演劇ができたらなんて幸せだろう』いつも思ってました。
和歌山は他の地域に比べてもあまり演劇文化が発展せず、それを疑問に思っていたのですが、演劇を観るには山か海を越えなければ観に行けない地域だからなのかもしれません。和歌山で『演劇』というとサブカルチャーよりもサブのポジションに位置付けられます、表立って『観に来て‼』と言えないのがまだまだ悲しいところです。
昨今2.5 次元舞台が流行り『演劇ポップカルチャー』時代が到来しています。しかし、他の地域の文化、演劇を真似するのではなく、和歌山が誇る美しい山、木々、木の神様がいる紀伊だからこその独自の演劇文化の発展を祈っています。
舞台は『木』でできていますから。

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